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テスコム電機株式会社 松本工場の「ものづくり」

日本品質を世界へ。

「信頼されるものづくり」をお届けする、テスコム電機松本工場をご案内します。

行き交う社員の「おつかれさまです!」が、明るく響き渡ります。
ここは、テスコムの商品を開発・製造する長野県松本工場。国内商品のみならず、海外向け製品も、この松本工場に集約され、厳しい品質管理のもとで送り出されています。
当社は1966年に松本で自社製造工場を構えて以来、「キレイをつくる」美容器具や調理器具を地元の方たちと一緒につくりあげてきました。

~ 松本工場の「ものづくり」 ~

今回は、テスコム製品を支える、松本工場の「ものづくり」の裏側をご紹介します。

「優しく、勤勉な」松本の人々、
その気質が生きている

お客様の目線に立ったものづくりをする。創業からの精神は変わらず、今日にまで受け継がれています。
現在の新工場へ移転したのは2013年7月。開発、製造から、検査、修理、カスタマーサービス、出荷に至るまでを担っています。
丁寧な作業に裏打ちされた技術力と、社員一人ひとりが真摯に取り組む姿勢から、日々の製品が生まれています。

国宝である松本城を有し、城下町として栄えた松本。
周囲を高い山々に囲まれていることから、年間を通して湿度が低く、晴れの日が多いのも特徴です。
その澄んだ空気と安定した気候は、「キレイをつくる」というテスコム電機の志を支えているかのようです。

長年、この地でものづくりを続けてきた当社は、「松本には優しく、勤勉な人が多い」という声を耳にするたびに、深くうなずいてしまいます。
松本工場で立ち働く社員の9割は、松本に在住しています。
ベテランスタッフから新人まで、製品に求めるクオリティは厳しくとも、どこか家庭的な雰囲気を感じさせるやり取りを、工場のあちらこちらで目にします。

上下の隔たり無く、チームワークを大切にする現場。まさに松本の気候にも似た、この澄んだ環境こそが、テスコム電機の誠実なものづくりにも表れています。

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「安全性」を追求するための設備

テスコム製品は、数年単位で研究開発するものから、半年ほどでマイナーチェンジを行うものまで多種多様。
自社開発に重きを置くからこそ、実験設備や機器類には投資を続けてきました。
たとえば、3Dプリンターのような最新テクノロジーにもいち早く着手し、従来は木材で作っていたモックアップの生産効率が格段に上がりました。

機器から出る電磁妨害波を測定する「シールドルーム」をはじめ、各種計測を行うスペースも自社工場内に併設。
スピード感を持って試作と検証を繰り返し、製品の精度を高めています。

家電製品には国が法律で品質基準を設けていますが、テスコム電機ではそれを上回る自社基準を設定しています。
主力商品であるドライヤーやミキサーのように、プロフェッショナルの現場で安定的に仕事をする、あるいは日々の生活に長く貢献できるよう、「安全性」を追求したいという想いがあるからです。

そして、「お客様との長いお付き合い」を考えるからこそ、ご愛顧いただけるお客様からの声が届きます。
プロの美容師から一般家庭まで、さまざまに寄せられる声を、さらに新たな製品へ生かしていく。
この循環こそ、テスコム電機のものづくりを洗練させる駆動力になります。

その考えは、松本工場で同様に製造・検査する海外向けの製品であっても変わりません。
テスコム電機は日本市場で積み重ねた安全に対する配慮を、海外向け製品でも設計から組み込んでいます。

たとえば、ドライヤー。日本市場では「熱風と風量」のバランスが重視される中で、ASEANや中東諸国は熱帯のため「熱風」よりも風量こそが肝心。
ベースとなる日本市場向けの製品と消費電力や外観を揃えつつも、現地ニーズに合わせたスペックとなるように調整しています。

また、製品のスペックだけではなく、化粧箱に示す内容も海外向けでは変えています。
海外ではWeb上の情報や、店舗販売員が説明することを重視し、より高級感のあるデザインを施しています。

それぞれの国で、販売からユーザーまで「手に取る人」のことを思う、お客様目線のものづくりが表れた証といえます。

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日本人の感覚で生み出す、
安心・安全のものづくり

それでは、実際に商品の製造ラインを見てみましょう。
この日は、Nobbyブランドのドライヤーを製造していました。

作業現場で大切にしていることは「整理・整頓・清潔」の“3S”。
台車の導線はテープを貼って明確にする、コンテナを乗せていない台車は必ず立てかけるなど、事故を防ぎながら作業効率を上げるべく、現場の声を取り入れた改善を続けています。

製造に当たるのは、工場のある松本市に在住する社員がほとんど。
まさに、名実ともにメイド・イン・ジャパンのものづくりを実直に続けてきました。
勤続10年を超えるベテランから、若い社員まで、年齢や性別もさまざまです。時に笑顔で言葉を交わすこともありながら、真剣な眼差しは製品一台ずつに注いでいました。

テスコム電機の確かな品質を製品に宿すため、検査機器類も活用しながら、製品1台ずつの触覚検査も実施。
データと感覚という両面から、製品の不備を見逃さないようにチェックしています。

テスコム電機の製造ラインでは、それぞれの社員が多くの工程を担える「多能工」であることを求められています。
「多品種・少量生産」をはじめとした柔軟な生産体制を築き、市場の求めに応じた計画的な製造を行うことができるのです。

そのため、同じ工程を続けるのは連続で3日まで。慣れによるミスを防ぎながら、製造に関する負荷を社員全体で分け合い、バランスをとっています。
働く人の成長を促しながら、社員それぞれが「次の工程」を常に意識できることで、製造ラインの改善につながるのです。

テスコム電機ならではの「品質」を約束するための検査体制

開発・製造現場での品質向上はもちろん、テスコム電機は検査体制にも手厚く取り組んでいます。
出荷前製品の全数検査に始まり、新製品の試作品検査、国内外で法改正があった場合に対応する検査、販売後に不良があった場合の交換出荷と、それぞれに専門部隊を設けて検査に当たっています。

度重なる検査を続けるのは、テスコム電機にとっては「販売した後の品質も管理する」という意識があるからです。

「もし、一度でもドライヤーの電源コードがショートしてしまったら、その体験はテスコムの商品だけでなく、お客様にとってはドライヤーへの不信感に繋がってしまう」

あくまで「売ってよし」ではなく、お客様が安心して使い続けられることが大切。そのために、幾重にも検査が必要だと考えているのです。

そのため、専門機器を工場に備えています。
コードの屈曲試験機、ドライヤーのスライドスイッチ耐久試験機、ヘアーアイロンのバネやプレート塗装の耐久試験機といった独自の検査機器を取り揃え、製品ひとつを作り上げるにも、安全性の検証を繰り返し行っています。

また、海外拠点で製造した製品についても、同様に手厚く検査を行います。
一度、海外拠点で検品したものを、改めて松本工場で再検査。その後に出荷をする段取りです。

日本で作っているから「メイド・イン・ジャパンの品質」が約束されるわけではありません。
ときには海外の協力企業から「テスコム電機が求める基準が厳しい」という声をいただくこともあります。
それでも、テスコム電機がお客様に約束したい「品質」の考え方を伝えていく。そして、日本のみならず、世界で使われ、「キレイをつくる」という文化に資する。その目的のために、今日もたゆまぬ改善を続けているのです。

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カスタマーセンターを工場に。
フィードバックを迅速に反映

また、松本工場内にカスタマーセンター(CS)を設けているのも、テスコム電機の特色として挙がります。お客様からの声をすぐに製造現場へフィードバックでき、素早い改善につなげるためです。

お客様から問い合わせをいただいた際には、当社からもヒアリングを実施するなど、寄せられた声の一つひとつを「機会」と捉え、次世代の製品につながる声を集めています。

すばやく確かなご返答ができるよう、ケーススタディを履歴として記録するだけでなく、オペレーター同士で週2回の「ランチミーティング」を実施。気軽な雰囲気の中で現場の困り事を早い段階で共有し、解決へと結びつける仕組みです。

また、月2回開かれる「CS連携ミーティング」では、CSから挙がった問題を持ち寄り、品質管理、技術部、CSが集まって改善の検討を行います。
お客様の声や市場ニーズの分析などを通じて、一般的な電機メーカーよりも速いスピード感で行動に当たれるように意識しています。

CSと技術部はすぐ隣同士の部屋にあり、フィードバックがしやすい配置です。

そして、テスコム電機には多くの女性社員が在籍していますが、量産前のサンプルを実際に使用してもらい、よりユーザーに近い立場でのチェックも実施しています。
たとえば、「ミキサーのふたがつけ爪をしていると開けにくかった」という意見は、製造や技術のことだけを考えると想像しにくいポイントでした。

社員は「作り手」でありながら、同時に「使い手」でもある。両面からの声を活かすことで、お客様目線に一歩でも近づくものづくりを続けています。

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「3つの経営理念」が反映された松本工場

かつてテスコムが建設した工場。長野に根を張り、製品を作り続けてきた

創業者であり前会長である楠野幹夫が、前身の東京電販(Tokyo Electric Sales Company)を設立したのは1965年10月。
後に、その頭文字をとって「TESCOM」ブランドが始まりました。

実は、その歩みからは、先達たちのチャレンジが端々に伺えます。
1974年に世界初のカールドライヤーを発売した他、1992年、現在では一般的となった「マイナスイオン発生器」を備えたドライヤーの開発・発売。また、2013年にはミキサーのカテゴリーとして初めて真空技術を取り入れた「真空ミキサー」を発売するなど、常にお客様のニーズを製品に反映してきました。

かつての商品チラシ。「テスコム」ブランドを初めて冠し、1969年に国内外で発売されたのが「HS-200」。その後も開発・製造を続け、ラインナップを拡充した。

1968年、ドライヤーを国内外にて販売を開始してから、1978年にNobbyというブランドを確立し、今日まで発展し続けてきた成果は、「ヘアサロンドライヤーのシェアNo.1」という輝きにも表れています。

その成果を生んだのも、テスコム電機が掲げる「3つの経営理念」が、しっかりと反映された松本工場の製造体制があってこそです。

お客様を常に第一と考える「企業づくり」
お客様から常に信頼される「ものづくり」
お客様から常に信用される「ひとづくり」

当社がご提供するのは、単なる家電製品ではありません。お買い上げいただく前にも、そして使い続けた後にも続く、品質を約束した商品による「快適な暮らしのデザイン」にあります。

創業50年を経て、これまで以上に、世界中のお客様へ喜びと感動を与えたい。その心が、今日も松本工場には息づいています。

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テスコムについて